【UTMF2015、完走率41.5%の理由とは?】
『RUN+TRAIL Vol.15 UTMB&UTMF特集』
トレイルランナーズ大阪の安藤です。
本日はトレイルランニング定期刊行雑誌『RUN+TRAIL(ラン・プラスト・レイル)』の最新刊です。
さて、今号のテーマは「UTMB&UTMF」特集。「鏑木毅が観たUTMB2015」「最終完走者もリスペクトされるUTMB」出場選手へのインタビューを中心に、今回も写真満載でボリューム満点の内容になっています。ほか、ここ最近注目を浴びてきているバーティカルキロメーター大会なども紹介されています。
トップ選手へのインタビューの中には、日ごろのトレーニング法からレース中の心構えなども含まれており、非常に参考になります。
本誌でベストセラー『Born To Run』にも登場するタラウマラ族2人のインタビューがあり、ウルトラトレイル・マウントフジを2人ともA3、A4の序盤で、「膝が痛くなってリタイア」という話を聞いて、2つのことを考えました。
一つは、ウルトラトレイル・マウントフジのようなトレイルとロードの織り交ざったコースでは、ロードトレーニングもしっかりしておく必要があること。つまり、固いアスファルトを走るのに耐えうる脚をつくっておかなければならない。
二つには、これは憶測ではありますが、タラウマラ族の一人は日ごろ履き慣れたサンダルではなく、シューズを履いて出場したそうです。クッション性の高いシューズを履いたことで体の前で着地する(ヒールフットストライク)に変わった、それが「膝が痛くなった」という原因につながったのではないか。
これの意味するところは、タラウマラ族のような日ごろサンダルで生活をし、自然と体の重心の真下で着地している(ミドルフットストライク)彼らでも、シューズを履けたひとたび走り方が変わってしまう可能性があるということ。
人気のベアフットシューズを履いて走り慣れたとしても、それは単に「そのシューズの特性に慣れた」だけであって、本質的な走り方が改善されたわけではない。一般的なシューズを履けばすぐ元に戻ってしまう(ブレーキ気味のかかと着地になってしまう)可能性もあるのではないか。実際に、ベアフットシューズから一般的なシューズに変えて、「膝が痛くなった」という人を多く目にしていますが、その可能性が高いです。
シューズを問わずにスポーツとしてのランニングのカラダの使い方、動きを正しく理解することが重要に思いました。
フランスのセバスチャン・セニョー選手は、確か僕の記憶では鏑木毅さんと同じ45歳ぐらいだったと記憶していますが、本誌では38歳と紹介されています。
ウルトラトレイル・マウントフジやウルトラトレイル・デュ・モンブランにいつか出場の夢をはせる方は、ぜひ抑えておきたい一冊です。
【UTMF2015、完走率41.5%の理由とは?】
『RUN+TRAIL Vol.15 UTMB&UTMF特集』
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。