今よりも強い身体、脳、心を得るためには?
こんにちは。トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
本日ご紹介する一冊は、『はたらく人のコンディショニング事典』。トレーニングから栄養学、メンタルタフネス、脳科学まで、仕事におけるベストパフォーマンスを引き出すためのノウハウを広くまとめた新刊です。
『いつものパンがあなたを殺す』『炭水化物が人類を滅ぼす』といった恐々しいタイトルが目立つ中、そうした最近の作品と比べると、内容は大人しめですが、具体的な数値も豊富にでてき、「バリバリ仕事をする上でのカラダづくり」に絞った内容が参考になります。すでに既出の内容が多いため、消化不良なところもありますが、あらためて頭の中を整理するという上で役立ちました。
自分の必要睡眠時間を知ることの重要性や、自分が朝方なのか夜型なのか知る上での「朝方夜型質問紙」への調査票も紹介されており、興味深いです。自分が朝方人間なのか、夜型人間なのかを知っておくことで、自分にとってより効果的な、平日のランニング時間も変わってくるかもしれません。
「特に、夜10時から2時に食べたものの大部分は脂肪になる。 」という当たり前のことが、心にグサリ。昔は、僕も会社が終わるといつも夜10時で、不規則な生活が懐かしいです。そこで、どうしたのか?と聞かれれば、会社に「空腹で、集中力の途切れた状態で、仕事を続けるのは効率が悪い」と説き伏せて、夜18時を過ぎたら、一度中抜けをして、外食に行っていました。
早速、エッセンスを見てみましょう。
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体や心が疲れているとき、実際に悲鳴を上げているのは「脳」。体の機能を自動調整する自律神経のバランスの崩れが原因。
眼精疲労の仕組み。遠くに焦点を合わせようとしても、デスクワークでは近くにばかり焦点を合わせるため、副交感神経が優位になり、レンズを厚くしようとします。
人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは、起床後12~13時間が限界。起床後15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業効率で、起床後17時間を過ぎると飲酒運転と同じ作業能率まで低下することが成人男性を対象にした研究で示されています。
手軽に済むからと言って、朝食に菓子パンを食べている人は要注意です。炭水化物や糖分は、血糖値やインシュリンを一気に上昇させるため、食後は元気になったように感じますが、そのあと同じような勢いで低下してしまうので、眠気に襲われます。
メラトニンをたっぷり分泌し、免疫機能を強化するには、眠っている間に豆電球や手元の明かりをつけておかず、足元の安全は確保しつつ光を社参すること、メラトニンの分泌のゴールデンタイムである夜10時から午前2時の間にしっかり眠っておくことが大切です。
寝る3時間前に食事をし、寝る1時間前に入浴し、寝る30分前にスマホから離れる。
眠くなるタイミングは、大きく分けて3つに分けられます。
①疲れたとき
②あたりが暗くなったとき
③体温が低くなってきたとき
特に、夜10時から2時に食べたものの大部分は脂肪になる。
近年、「コーヒーは体にいい」という内容の研究論文が増えてきた。肝臓がんのリスク軽減効果。厚生労働省の研究班が約10年間にわたって約9万人を対象とした調査では、コーヒーを飲まない人の肝臓がん発生率を1.0としたとき、毎日1~2杯飲む人、毎日3~4杯飲む人の発症率は、それぞれ0.52、0.48とほぼ半減し、毎日5杯以上飲む人の発症率は0.25と、飲まない人に比べて4分の1に下がっていた。
フィンランド国立衛生研究所の行った調査によると、コーヒーを1日3~4杯飲む人の2型糖尿病の発症率は、まったく飲まない人に比べて男女ともに3割近く低く、さらに1日10杯以上飲む人では、女性79%、男性で55%も発症率が低いという結果
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個人的に、コーヒーがもたらず、肝臓がんのリスク軽減効果の新たな研究説には、驚きました。何ごともほどほどが肝心と考える僕は、この研究結果を鵜呑みにして、「コーヒーは体にいい」と毎日たくさん飲むことは控えたく思います。
これまであまり健康関連本を読んだことのない方には、広く学べ、意外なところで「発見」がある一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。