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『常識破りの川内優輝マラソンメソッド』津田誠一・著 Vol.56

投稿日:2015年12月8日 更新日:

【最強の市民ランナー、川内優輝の練習の秘訣】
『常識破りの川内優輝マラソンメソッド』津田誠一・著 Vol.56

こんにちは。トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

昨日、12月6日は福岡国際マラソンでしたね。

「距離だけを求める(距離信仰)のは時代遅れ」と言われて久しい昨今ですが、「じゃあ、一体何なんだ」という疑問に新しく答えてくれたのが、本日ご紹介する、『常識破りの川内優輝マラソンメソッド』です。”常識破り”と過激なタイトルがつけられていますが、内容は至極真っ当なことを言われています。本書の帯に、「最強の市民ランナーは、なぜ少ない練習量でも強いのか?」とありますが、川内選手の練習量は実業団選手のそれと比べて少ないという意味で、月間600キロ。300キロや400キロレベルを期待しないよう。

川内選手と言えば、練習にクロスカントリーやトレイルランを取り入れていることも広く知られていますが、はじめに山歩きを薦めたのは、大学時代の同監督だったとは知りませんでした。

中には、「私はときに選手たちをものすごく叱ることがあります。それはポイント練習の途中にお腹が痛くなったりして、トイレに飛び込むときです。私にいわせれば”集中していない証拠”なのです。」前日の食生活の乱れなどには、厳しい一面も。

特に「上り坂」と「下り坂」を走るコツでは、簡潔で、素晴らしいアドバイスが書かれています。

川内優輝さんの弟2人、鮮輝(よしき)さん、鴻輝(こうき)さんもマラソンサブ2時間30分ランナーですし、 揃って同じ練習をしているのかはわかりませんが、そういう意味では一つの結果を出す方向性を示していると言えるでしょう。 陸上3兄弟というのは珍しい。

注目を集め続ける、川内優輝選手。平日は公務員として日常業務をこなしながら、どうやって実業団レベルにまで 走力を高めたのか。本書には、その学生時代のルーツから日々のマラソン練習内容、マラソン練習の考え方までが紹介されています。

さっそく、そのエッセンスを見て行きましょう。

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私の練習方法は一貫して変わっていません。ポイント練習は、週に2回(水・土)、月曜は休養、その他の日はジョッグです

「スピードはないけれど、脚は頑丈そうだな」というのが第一印象でした。

学習院大では、私の指示通りに実践できる選手は、川内だけでした。

練習には練習のペース、レース本番ではレース本番のペースというものがあり、それぞれ別々ののもなのです。練習ではレースペースよりもだいぶ抑えながら”適切な一定のペース(強度)に抑えながら走り続ける”という訓練が大切です。

「無理は禁物」といいますが、マラソンの練習では「無理は無駄」です。

川内はきつくなると表情に現れます。「親の仇内じゃないんだから、そんな険しい顔をするな!」とよく注意をしました。

川内は大学時代、体幹が弱く、腕を振って走っても上半身と下半身が上手く連動しませんでした。学習院大は木曜にトレーニングルームを使えるので、そこで体幹を鍛えるトレーニングをするようにアドバイスしました。川内が偉いのは、それを必ずこなすところ。根が真面目だから、自分が「やる」と決めたことは必ずこなしていました。

1000メートルの1本1本を速く走ることより、つなぎ(休息)のジョッグの時間を短くすることに力点を置くのです。1本走ったあと、心拍が安定して息が整う前に次の1本を走りはじめる。そのほうが故障のリスクも少ないですし、徐々にですがスピード持久力や心肺機能も強くなるからです。

山歩きとマラソンは一見無関係のように思われるかもしれませんが、普段の練習で走ることのない登り下りで新鮮な刺激を入れながら、じっくりと足腰を鍛える効果はマラソンに非常に有効です。

ジョッグで意識するのは、「距離」より「時間」のほうがいいでしょう。

一定ペースで押していくことは、我慢を覚えると同時に、他人に頼らず自分で最後まで押し通す力をつけることができます。これはマラソンではとても大切な要素です。

私は川内が大学を卒業した後も、本人の希望により練習メニューを組みました。週に2日のポイント練習を軸とする練習のベースは、大学時代と変わりません。

レースの結果ではなく走行距離を自慢するのは、仕事の結果ではなく残業時間の長さを自慢しているようなもの。私にいわせれば”自己満足”でしかありません。

▲ ここから

「レースの結果ではなく走行距離を自慢するのは、仕事の結果ではなく残業時間の長さを自慢しているようなもの。 」というのは、昨今ブログやフェイスブックを見ていても、言い得て妙だと思います。

僕も練習生には、「速いからといって偉いわけではない」、「長い距離を走ったからといって偉いわけではない」、才能のある選手には「走った距離を自慢するようなレベルの人にはならないよう」と話したこともあります。それが目標達成の喜びを表したり、ランニングの魅力を伝えたりするものであればよいのですが、残念ながら、そうではない場合が多いです。

結果を出している人は、黙々と自分のペースで、練習を積み重ねている人です。

欲を言えば、川内優輝選手との対談話も収録して欲しかったところ。本文中に「川内が私のもとを離れたのにはいろいろな要因があるのですが、それは明かすことができません。」と現在は決別したような表記がありますが、むしろ読者としてはそこを知りたかったですね。

川内選手の練習内容の原点を知りたい方、ぜひ読んでみてください。

『常識破りの川内優輝マラソンメソッド』津田誠一・著 Vol.56

川内優輝選手のファンを公言する方には、 こちらもおすすめです。

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参考書籍:『走れ、優輝!』







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“キャプテン”安藤大(あんどう ひろし)
トレイルランナーズ大阪代表
米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ
ランニング歴24年以上
トレイルランニング歴14年以上
コーチ指導歴11年以上

大阪府生まれ。2012年にランニングコーチとして起業し、コーチ指導歴は11年以上で全国の500人以上のランナーを個別指導。説明は「わかりやすい」と学生からシニアまで初心者の指導に定評がある。自身も現役のランナーで実践的な指導は具体的。

ランニング歴は24年を超え、世界一周ランを目標に北極マラソンや氷上マラソン、マチュピチュマラソンなど28か国のレースに参加。

2012年3月に『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、10年間でのべ1万人以上のランナーが集まる人気に。全国で山でのマナーや歩き方、走り方の啓蒙活動を行っている。ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回る「夢」を実現し、「グループで走る楽しさ」の魅力を伝え続けている。

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