【世界一のプロ・ゲーマーの勝負哲学】
『勝ち続ける意志力』梅原大吾・著 Vol.100
ランニング業界に長らくいますが、一度は優勝して注目を浴びたプロランナーがその後スランプに陥る現実を、何度も見てきました。
「一度は優勝できても、その後も優勝し続けることは難しい」
本日は「これはランナーのマラソン自己ベストを更新し続けるための心構えや努力のヒントにもなる一冊」と思いご紹介します。
著者は、日本人で初めて“プロ・ゲーマー”という職種を築いたプロ格闘ゲーマー。「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネスが認定。
「僕から言わせれば、彼らは年齢を言い訳にしているだけで努力の仕方が足りないのだと思う。努力が老いに負けているわけだ。」など思わず心に響く名言がずらり。
ぱっとしなかった少年時代。一度はゲームを辞めて介護の仕事に携わったりした著者の迷いの中から導き出した勝負哲学は多くの人の心に響くでしょう。
本書の中で「自分にしか分からない努力を続けている最中は、たいてい誰にも認められない。」という言葉が出てきますが、ランニングも当てはまると思います。
ランニングでも新しい練習を取り入れたり、フォームを改善に取り組むうちはタイムに結びつかない限りは周囲からは何とも思われずショックを受けることがあります。
しかし、水面下で確実に伸びているのです。
日ごろゲームをプレイしない方もぜひ読んでみてください。
▼本書より
他人から「ウメハラの良さはここ」と言われると、それをことごとく否定し、指摘されたプレイは極力捨てるようにきてきた。
僕から言わせれば、彼らは年齢を言い訳にしているだけで努力の仕方が足りないのだと思う。努力が老いに負けているわけだ。
あのときはたまたま負けただけだったんだと運のせいにするか、このゲームが悪いと責任転嫁するか、相手が強かっただけだと諦めるか、自分も年を取ったと頭を抱えるか。だが、そのように一時の感情に流されるのではなく、事実を受け止めて分析することが大事なのである。
彼らと僕とでは迷ってきた量が圧倒的に違うからだ。
自分にしか分からない努力を続けている最中は、たいてい誰にも認められない。
心だって、鍛えなければ強くならない。
追求の過程で何に目をつけているか標榜するつもりもないし、見つけ出した戦い方をわざわざ公表するようなこともしない。
生み出した特許よりも、新しい特許を生み出す力の方が遥かに重要なのだ。
かつて生み出した戦術に頼らない覚悟と、新たな戦術を探し続ける忍耐があるからトップにいられるのだ。
どんな相手でも、ひとりの人間を攻略するのは容易ではない。
相手を弱くすることよりも、自分が強くなることの方が大事だと分かったのだ。人の邪魔をすることで優位に立とうとする人はいるだろうが、そういう人はいずれ消えていく運命にあると悟った。
僕にとっての正しい努力。それはズバリ、変化することだ。
【世界一のプロ・ゲーマーの勝負哲学】
『勝ち続ける意志力』梅原大吾・著 Vol.100
管理人:大阪府生まれ。トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。2012年に起業、日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ、マラソン作家。指導歴12年で、初心者にもわかりやすい指導と表現で定評がある。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。2024年10月にAmazon(アマゾン)より電子書籍『極寒!はじめての北極マラソン』を初出版。