【どんどん走れる体になる!】
『青山剛のスイッチ・ランニング』青山剛・著
「走ると太ももの前側が痛む。じつは、脚ではなくおしりに原因があり。」
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
本日は、ランニング本の最新刊をご紹介。著者は「ランニング・コア・アスリート」、「走れるカラダになる 体幹「3S」メソッド」など多数の人気著書を持つ、元プロトライアスリートの青山剛氏。著者の指導の特徴はストレッチや体幹、特に「おしり」の使い方に力を入れた内容で、具体的なエクササイズ説明と写真が中心となっています。
ランニングをはじめたばかりの人や、まだマラソン大会には出場したことのない人がマラソンを完走できるようになるまでの指南書です。マラソン大会に初出場したけれどもリタイアしてしまった、あるいは途中から歩いてしまったという方にも役立つでしょう。
一つ気づいた点は、著者のDVDでランニングフォーム動画をスロー再生ですると、しっかりとした前方着地のヒールストライク(かかと着地)です。本書でも「ウォーキングで正しい走りの動きを確認しよう」「ウォーキングからランニングへ移行しよう」と話しているあたり、ラン歴の浅い方に「ミドルフット」、「フォアフット」といった着地について教えるよりは、股関節の柔軟性を高めたり、上肢と体幹と下肢の連動に重きをおくことの方が大事だと考えているからだと思います。そのため著者のシューズも薄すぎず、ある程度クッション性の高いシューズを履いているようです。
なかなかランニング練習会に参加する時間もとれず、これまで一人で走り続けてきて、足が痛くなってしまったという方には気づきとなる一冊です。ランナーによくある足の痛み「ひざの外側の痛み」「ひざの内側の痛み」「ひざの皿の下部の痛み」「ひざの皿の奥の痛み」などと、その原因・対処法も解説されているので、ぜひチェックしておいてください。
【どんどん走れる体になる!】
『青山剛のスイッチ・ランニング』青山剛・著
◆本著より
「使えるおしり」とは、体幹を正しく使えている状態のこと。それは、背中にある肩甲骨がやわらかく動かせ、脊柱(背骨)がきれいな湾曲を描いて、それぞれの筋肉がしっかりと骨を支え、動きをサポートしてくれる状態です。
腹直筋を含めた腹筋群のスイッチを入れましょう。この筋肉が上手に使えれば、正しい姿勢を維持でき、肩甲骨の動力をスムーズに脚へと伝えられるようになります。
下腹の力でピッチは上がる
初心者でもトップ選手でも「正しい走り方」のフォームは変わらない。
ストライドを伸ばすためには、脚の根本にある腸腰筋の活性化が欠かせません。
ランニングに限らず、ものごとを長く続けるには4つのポイントがあります。それは「正しく」「楽しく」、そして「目的」「目標」をもって続けること。いまのランニングブームでは「楽しく」と「目標」しかない人が多いので、ランニングを長く続けられないのが現状です。
【どんどん走れる体になる!】
『青山剛のスイッチ・ランニング』青山剛・著
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。