アキレス腱が痛い。ランナーに多い代表的な、「アキレス腱炎」。これもがんばりすぎ傷害の一つ。僕自身も年間毎週末山に行き、平日も走ってっていますので、アキレス腱に痛みを感じた経験はあります。そんな場合はすぐに、鍼治療院や水風呂へ行くなどしています。
アキレス腱炎は、アキレス腱断裂やふくらはぎの肉離れにもつながる可能性があります。ただほとんどの場合は適切なウォーミングアップやラン後のケア(アイシング)で、ひどくなる前に予防することができます。
ランニングを再開して、またすぐにアキレス腱に痛みを感じるようであれば、少し休足が必要なサインでしょう。トレイルランでは上り坂を走ったり、下り坂を必要以上のスピードで駆け抜ける際には、特に大きな負担がかかるので注意が必要です。「舗装路を走ると痛むけれどやわらかい土のトレイルならば大丈夫だろう。」と安易に判断するのは、危険だということです。
トレイルランナー鏑木毅さんのようなアキレス腱やふくらはぎのバネを生かした走りをされる方は、要注意です。ツアーなどで鏑木さんの真後ろについて、そのフォームを取り入れようとされる方がいるそうですが、まったく参考にならないばかりか、一般市民ランナーの方が真似をすればケガや故障につながるでしょう。鏑木さんの足を見ていただくとわかりますが、まるで石のブロックをいれたかのような頑強な足をされています。
鏑木さんは元箱根駅伝を目指していた選手。公務員時代も30階の支庁社の階段を昼休みに往復し、今でも富士山を軽く山頂まで走り切ってしまう基礎脚力ベースがあります。そんな鏑木さんでさえ、さまざまな媒体でご本人が語られているとおり、ケガや故障に悩まされています。
最近では皆さまの知るトップ選手もケガや故障をきっかけに、コーチや整体の先生からアドバイスを仰いで、大幅ランニングフォーム改善に取り組む中、鏑木さんだけは選択肢のある中で、世界と戦うための武器として、あえてその走りを貫かれているのですから、やっぱりすごいと感じます。

管理人:安藤大(あんどう ひろし)大阪府出身。プロ・ランニングコーチ。2012年から「はじめてのトレイルラン教室」を開講、21都道府県で1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動に注力し、グループで走る楽しさを伝えている。
15年で参加をした大会は「28か国、28都道府県」で100を超え、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。
2024年10月に『極寒!はじめての北極マラソン』を初出版。Amazon2部門1位&ベストセラーに。