【”1年で51戦50勝”テニス界絶対王者が語る】
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』ノバク・ジョコビッチ・著
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
トレーニングで一時的に記録を伸ばしても、体づくりがしっかりしていなければ、継続的なマラソンの記録更新はできません。
世の中には、プロのアスリートが何十万、何百万と使って学び得た知識が存在するわけで、本日ご紹介するのは、テニス界の”絶対王者”が自身の食事について述べた一冊です。著者のノバク・ジョコビッチは、2011年に全豪・ウィンブルドン・全米オープンでグランドスラムを達成し、世界ランキング1位に。年間勝率は12ヶ月で51戦50勝。ほぼ負けなし。
フェデラー、ラファエル・ナダルが世界トップ1、2で、3位とは大きな開きのある中で、どうしてジョコビッチがナンバー1になることができたのでしょうか。その理由はハードな練習ではなく、一番は「食事の改善だった」と述べています。
具体的には、著者は「グルテン不耐症」であることがわかり、小麦を一切やめたそうです。つまりは、グルテンフリー(小麦に含まれているタンパク質を除外)の生活。
グルテンは砂糖よりも早く急激に血糖値を上げてしまう。
◆死につながる4つの白
白いパン
白砂糖
白い塩
白い脂肪
著者は、「上記の4つは真実ではない。たとえば全粉パンは白パンと同じぐらい体に悪い。あなたの体質がどのようなものであれ、可能なかぎりこの4つを割け、どうしても避けられないのなら、ほどほどにしておくのがよい。」と述べています。スニッカーズやコーラよりも、全粒パンが血糖値を跳ね上げてしまう事実を知って、驚きました。
「養殖ではなく、天然に近い環境で育った動物のほうが健康的で栄養価も優れている」と言われても入手が難しいものもありますが、「シラタキ」「ソバ粉」「たまり醤油」など日本人の方が実践しやすい食べものも多く、本書でジョコビッチが推奨する食事は、間違いなく一般人にも大きな効力を発揮することでしょう。
「毎日の生活で実践することは難しくとも、14日間だけ試してほしい」と著者は言います。
今の錦織圭選手が栄養・食事面で、本書で書かれていることを実践したのであれば、どんな結果を出すのだろうか、と期待してしまいました。
これまで、こうした類の本は医師や何とか博士によって書かれたものが多いのですが、本書はプロアスリートが失敗談、経験談に基づき書かれたものなので、内容にも説得力があります。
巻末のジョコビッチ食事「王者のレシピ」は、大変参考になります。僕は、本書を読んですぐグルテンフリーのミューズリーとココナッツオイルを購入しました。(笑)
この一冊は付箋張りまくりで、勉強になりました。(勉強だけでなく、実践も)本書の中にある「ジョコビッチがおすすめするダイナミックストレッチ」は、テニスプレイヤーだけでなく、ランナーにも大いに役立つ内容です。
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』ノバク・ジョコビッチ・著
◆本書より
小麦は消化機能を劣化させることがあり、胃酸逆流から胃潰瘍性大腸炎、その他の腹部機能不全を引き起こすことがある。
抗議特有の食欲増進作用により腹部を中心とした肥満を促し、毎日何時間も練習を積んでいるアスリートにさえ体重増を引き起こしてします。
私はただ、グルテン(小麦に含まれているタンパク質)を数日間排除しただけなのに、私の肉体はすぐに良い方向に向かった。
私にとって最高の食事を、あなたにとってもらいたいわけではない。ただ、あたたにとって最高の食事が何かを知るための術を知ってもらいたいだけなのだ。
ある食べ物を14日間避けてみて、そこでもう一度それを食べて反応をみるのだ。
今日地球上で食されているほぼ100パーセントだ―に含まれるグルテンは、自然界に存在するものとは構造的に異なる。
多ければ、5人に1人は何らかの形でグルテン不耐症をもっている。
「健康的」と売り出されている食品の大奥は、世間一般で「不健康」とみなされている食品よりもグリセミック指数(糖尿病患者にも重要な指数)が高い。
砂糖の消費量が減れば減るほど、インシュリンの分泌量が減り、したがって蓄積される脂肪量も減る。
ヨーグルトは生きた乳酸菌を含む典型的な食品だが、多くのヨーグルトには糖分がたくさん添加されており、これはスナックバーと同じくらい体に悪い。
「今、「インシュリンを急上昇させる食べ物は?」と問えば、あなたは糖分が多い食べ物を連想するのではないか。だが、それよりさらに速く血糖値を上げてしまう食品は何か、小麦だ。全粉小麦でさえもそうだ。」
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』ノバク・ジョコビッチ・著
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。