トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
トレイルランニング中にもっとも起こりうるケガ、捻挫(ねんざ)。足を捻挫して、数週間経っても外くるぶしの痛みがひかない場合、「足関節外側靭帯損傷」が考えられます。不整地の山道を歩くのでさえリスクのあるところを走るわけですから、僕も含めて転倒や捻挫のリスクはゼロにはなりません。
捻挫はどんなときに起こりやすいか?
登りで捻挫をしたという話はまず聞きません。主には階段などの下りですが、実際には平地のなんでもないところで捻挫をしたといううケースが多いです。僕の経験上、友だちと喋りながら話していたり、ガス欠などで集中力が途切れたりしたときに生じやすいように思います。急な階段や木の根、がれ場では、一歩一歩に集中するからです。トレイルでは、集中すること。
・捻挫は繰り返すと癖になる?
「捻挫は繰り返すと癖になる」と言われるのは、、一度伸びて部分断裂した靭帯は戻らないからです。外側靭帯には複数の靭帯があり、ひねる方向によって痛みの部位は変わってきます。
・どんな方が捻挫しやすい?
捻挫の多い方は、足首の緩い方(足首まわりの筋力不足の方)、ストライドが大きくヒールフット(かかと着地)の方に多く、最近流行りのマックスプロテクション系シューズを好むランナー。
僕は、自分で足首がゆるいと感じる方や日ごろロードを走っていても捻挫をしやすい方、そしてトレイルの下りを上達したい方は、最近流行りのマックスプロテクション系シューズは過度の使用はなるべく控えた方がよいでしょう。一番問題なのは、足裏での路面の凹凸を掴みにくくなるからです。(実際に僕もシューズを試し履きした上でのアドバイスです。)
マックスプロテクション系シューズは使いどころによっては、大きな効果を発揮します。たとえば、ロードの100kmウルトラマラソンやトレイルのロングレースです。元々は、マックスプロテクション系シューズはロングレースや体重のある外国人向けに開発されたもの。実際、2014年に出場した万里の頂上マラソンでは、アメリカ人の多くがマックスプロテクション系シューズを愛用していました。
捻挫の適切な処置法は?
これもRICE処置です。RICE処置とは、「冷却、圧迫、拳上、安静」4つの英語の頭文字をとったもの。最近は、これに「固定(Stabilization)」が加わり、RISES処置とも。実際ねんざの場合、あまりにひどい場合固定しますので、RISES処置になりますね。
あらかじめのテーピングやランニングフォーム修正によって、「カイゼン」できます。

管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。2012年にランニングコーチとして起業し、全国のランナー500人以上を個別指導。説明は「わかりやすい」と学生からシニアまで初心者の指導に定評がある。自身も現役のランナーで実践的な指導は具体的。ランニング歴は24年以上、世界一周ランを目標に砂漠や北極マラソンなど28か国のレースに参加。2012年3月に『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、11年間でのべ1万人以上が集まる人気に。全国で山でのマナーや歩き方、走り方の啓蒙活動を行っている。ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回る「夢」を実現し、「グループで走る楽しさ」の魅力を伝え続けている。