【日本を代表する24時間走ランナーの対談!】
『ウルトラマラソン僕らの時代』
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
今日は、初めてのKindle本をご紹介します。
私も数年前から、Kindleなどの電子書籍で本を読むことが多くなりました。自宅のスペースも取りませんし、取扱い本も増えてきたこと。最近はレースで海外に行く機会も増え、どうしても移動中の機内で時間を持て余しますから、いつも国内出発前にはKindleに何十冊と本を入れて持っていきます。
そんな中でおすすめの一冊です。ウルトラマラソンランナーとして有名な関家良一氏が、同じくウルトラマラソンで活躍して来た、日本を代表するランナーに対談したものをまとめた一冊。
登場するのは、24時間走の現世界記録保持者・工藤真実さん。48時間走の現アジア記録保持者・大滝雅之さん。48時間走の現世界記録保持者・稲垣寿美恵さんの3人といずれもが世界記録保持者と豪華な顔ぶれです。
読んでいて興味深かったのは、24時間走や48時間走のレース中の心理状態。
24時間走を走るぐらいなので、毎日朝・夜と走りこんでいるイメージを思い描いていたのですが、レース後は2、3ヶ月まったく走らない月があったり、レースの一か月前は走りこみはやめたり。日ごろ時計はつけず、スピード練習はまったくしていないといった話は、意外でした。一方で400km走る月もあったりと、メリハリの大事さを感じました。
稲垣寿美恵さんの「え?100km走ったあとにレッスンできるのですか?」「慣れです。」というスポーツジムの生徒さんとの会話には、トレイルランツアーを年中開催している僕もよく質問を受けることなので、思わずうなずいてしまいました。
24時間走や48時間走、スパルタスロンの国内第一人者らが語る話は読み物として面白く、一読の価値ありです。
ぜひチェックしてみてください。
【日本を代表する24時間走ランナーの対談!】
『ウルトラマラソン僕らの時代』
◆本書より
恐らく世界記録を目標にして来ていたら、達成感もあるしもう二度と走らなくなるかもしれない。 ―関家良一
「フルの力が萎えてきたからウルトラに切り替えます」よりも、同時進行のほうが良いんだろうね。 ―関家良一
「サブスリーしたら250kmで30時間切れますよ」って予告されたの。-工藤真実
元々が遅いランナーだったから「そこに還る」と思えば、今後そういうレースがあっても、自分の中で受け入れられるのかなぁって思っている。―関家良一
実際の年齢よりも走歴の方が重要で、例えば40歳くらいで走り始めた人が50歳で自己ベストを出して、60歳、70歳まで続ける人って多いと思うの。まず最初に無理していないし。
―関家良一
「何で止めなかったの?」って聞いたら、彼女は「止めない事に意味があるんです」「ここで止めちゃうと子ども達がそれを見てしまう。子供達の為にも私は最後まで走ったんです」って言ってたの。
何をやるにしてもそれなりに練習して、準備してから臨まないとね。何でもそうだけど、手を抜いちゃうとつまらない。-工藤真実
結局人間の身体って、二つ以上悪いところがあっても、より痛い方が気になるから、他の所は気が付かなかったりするんだよね。―大滝雅之
あの時の僕の素直な気持ちは「おめでとう」ではなく「ありがとう」だったんですね。その「ありがとう」は、仲間の大滝さんで良かったという部分と、2年後の目標を作ってくれたという部分と、二つの意味があったと思うんですね。―大滝雅之
記録が出る時って、そういうものかもしれませんね。周りは状況をネガティブに捉えているのに、記録に向かっている本人は全く気にならなくて、むしろその状況を味方にさえつけてしまうような。
ウルトラマラソンはむしろ「女性の方が向いている」かもしれない。
【日本を代表する24時間走ランナーの対談!】
『ウルトラマラソン僕らの時代』
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。