【全国のランナーが投票したトレイルレースランキングは?】
『RUN+TRAIL(ラン・プラス・トレイル) 2016年2月号』Vol.061
国内でのトレイルランレースでも大分距離の短い、初心者でも参加のしやすい大会が増えてきました。
本日はトレイルラン定期刊行雑誌『RUN+TRAIL(ラン・プラス・トレイル)』最新刊です。初心者向け、トレイルランのすそ野を広げる雑誌というよりは、「すでにトレイルランをされているコアなランナー向けの情報提供誌」といった印象です。こうした専門誌にありがちなことではありますが、編集者によって取材対象レースや取材対象人物に偏りがある、というのが玉に瑕ですが、今号も内容は広くまとめられています。
さて、今号のテーマは「全国のトレイルランナーが投票・採点したベストトレイルレース」の発表。冒頭はOMMレースの特集にはじまり、北島良子選手と奥宮俊祐選手との対談、今年初開催となったFunTrails100kの舞台裏話も。「トレイルレースの大会参加賞コレクション」は、マラソンからトレイルランをはじめる人の多い状況にあって、面白く興味のあるところだと思います。
本誌では、全部で6人のランナーが、ハセツネCUP出場時の装備について語っています。僕はトレイルランコーチという仕事柄、「この装備に興味がある」というよりは、「この装備品でこの大会に臨んだら、 どんな問題を引き起こすか(考えられるか)」 リスク管理の視点でつい見てしまいます。最近では多くの人が出場前に装備やシューズをブログやフェイスブックで公開していますので、そうした投稿を日に何百とみていると、その選手がこれからレースで遭遇するであろう「未来」まで見えてしまうことがあります。
その中で、「素晴らしい!」と印象に残ったのは6人のうち1人、菊入さん。66歳で トレイルランをはじめ、お気に入りのウェアはフーディニ(カッコいい!)と言います。特筆すべきは、その携帯品。コースマップはもちろん高低図もちゃんと持ち、上下のレインジャケットに、携帯電話の予備電池に救急用品、三角巾まで。ヘッドランプも明るいものを選び、予備の腰専用としてもう一つ。完走目安時間に対し、食料が少ないように思いますが、もし何かあったときのために山で起こりうるリスクをしっかりと把握されて、出場されている様子がうかがえます。経験豊富なランナー顔負けの、ぜひ一つの参考にしたい装備品です。
トレイルラン専門誌は過去にも幾度となく出版され、知らず知らずのうちに 廃刊になっており、故にこうした雑誌は非常に貴重で、今後のトレイルランニングスポーツの発展を思うと、もっとこういう雑誌が出てきてしかるべきだと思います。
本誌のベストレースランキングを参考に、来年以降のトレイルレース出場に思いを巡らせるのもいいでしょう。ぜひチェックしておきたい一冊です。
【全国のランナーが投票したトレイルレースランキングは?】
『RUN+TRAIL(ラン・プラス・トレイル) 2016年2月号』Vol.061
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。