【50kmから50マイルトレイルレース完走ノウハウが凝縮】
『Running Your First Ultra』Your First 50K to 100-mile Krissy Moehl/クリッシー・モール
ランナーであれば、誰しもがケガや故障のリスクを抑えながら、いかにパフォーマンス向上させていくかを考えているでしょう。そして、より長い距離にチャレンジしたいとも。
まだトレイルランのトレーニング情報などの歴史の浅い日本にあって、これまでになかった「50kmから50マイルトレイルレース完走」までの攻略本が登場しました。
本日ご紹介するのは、アメリカの有名トレイルランナー、クリッシー・モールの『Running Your First Ultra』 。クリッシー・モールは、パタゴニア(patagonia)とバスク(Vasque)のトレイルランニング・アンバサダーであり、第一回ウルトラトレイル・マウントフジや信越五岳ランニングレース115km出場で、来日経験もあります。(ともに優勝)
ほか、ウルトラランニングの90レースを完走。うち40レースで女子優勝。2レースでは男女総合優勝するなど、ウルトラランニングレースで輝かしい成績を残しています。 なかなか思うような結果を出せないプロ契約ランナーが多いの中で、きちんと結果を出してきた選手と言えるでしょう。
以下は、実績の一例です。
HURT100、Hardrock100優勝、当時のコース新記録達成(2006)
UTMB(ウルトラトレイル・ド・モンブラン)女子優勝(2009)
信越越五岳トレイルランニングレース女子優勝(2010)
UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)女子優勝(2013)
最近は、複数のレースプロデューサーを務めたり、マッサージ師の資格を取ったりと、現役選手生活引退後の新しい活路を広げています。そんなクリッシー・モールが15年にもわたるトレイルランから学んだノウハウをまとめた、じつに興味深い一冊です。「トレイルでもネイルアートを忘れない」やヨガなど、女性ならではのアドバイスも目立ちます。
クリッシーも「ランナーのケガの大部分は、走りすぎ」と考えており、ケガや故障を防ぐためには、カラダのケアと体幹(コア)の強化、クロストレーニング(サイクリングや水泳、アクアジョギング)を薦めています。
クリッシー・モールは100マイルトレイルレース完走に向けたトレーニングを「44週間(336日前)」でスケジュール計画を立てています。もしこのアドバイスどおりとするのであれば、2016年9月のウルトラトレイル・マウントフジに出場を予定されている人は、「エントリーしてから練習」では当然遅く、すでに年間の練習計画を立て、1月から必死にトレーニングをしている必要があります。具体的には、初月は238キロから298キロ、月を重ねるごとに月間の走行距離は自然と増えていくイメージです。
また4月、5月に入れる50km、50マイルテストレースが重要になってくるとも話しています。
さっそく、その気になる内容をチェックしてみましょう。
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Wich one will you run?
Distance/Location/Course profile/Race History/Create a budget/Final Thought
Train for first 50-miler 3-5months after your first 50k.
look into houw many years the event has been held; I think a minimum of two or three years gives a sufficient understanding.
The Environment
as trail runners we are aware of our environmental impact.
Foot care
I fix the little issues before they become big ones. One trick I’ve added to my race day routine is to shake a tablespoon of 2 Toms Blistershield.
I am not married to a particular brand, but I am certain to test any before race day.
Body care
My advice learned from this and other racing experiences is to always find an appropriate place to relieve yourself and do noto soil your clothes in the process.
Hydration and Nutrition
I believe good ultrarunners are good eaters.
If you lose weight, remember it is water weight; you did not consume enough fluids.
Core and Strength
It is my opinion that the most common injuries for runners attempting longer distances are overuse injuries. To remain strong and injury free, it is important to complement your runnning miles with core and strength work and cross-trainning.
Power Hiking
I think it is important to specifically train in power hiking so that you can make the most of the steeper sections of your race course. When power hiking, I first think about the transition from runnning to hiking. Do not stop or slow down. Keep your momentum. I either swing arms a bit more aggressively to encourage a faster hiking pace
▲ ここまで
辞書片手に英語版で読むと、英語の勉強にもなりますね。
裏表紙には、英国のウルトラの女王リジー・ホーカー、同じくパタゴニア(patagonia)のトレイルランニング・アンバサダーのジェン・シェルトン、世界的ベストセラー『Born To Run』のクリストファー・マウドゥーガル、スコット・ジュレクら、数々の有名人がおすすめ本として紹介文を載せています。
50kmや50マイルトレイルレースへの挑戦を考える方には、役立つこと間違いなしでしょう。ぜひチェックしてみてください。
【50kmから50マイルトレイルレース完走ノウハウが凝縮】
『Running Your First Ultra』Your First 50K to 100-mile Krissy Moehl/クリッシー・モール
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。