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『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト・著 Vol.068

投稿日:2016年1月29日 更新日:

【極限雑学!生きるか死ぬかの極限状況で】
『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト著 Vol.068

『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト著 Vol.068

人間はどのくらい高く登れるのか?

人間はどのくらい深く潜れるのか?

人間はどのぐらい暑さや寒さに耐えることができるのか?

人間の速さの限界は?

人間は宇宙では生きていられるのか?

スポーツの世界に長年いて、人間の限界における興味は尽きることはありません。

本日ご紹介する一冊は、『人間はどこまで耐えられるのか』 。タイトルからして、非常に興味をそそられます(笑)生きるか死ぬかの極限状況で、肉体的な「人間の限界」を著者自身が体を張って果敢に調べ抜いた驚異の生理学を紹介したもの。原題は、「Life at the Extremes」。

著者はオックスフォード大学の生理学部教授で、インシュリンの分泌に関する第一人者。 面白おかしく綴った雑学本、いわゆる読みやすい本ではなく、硬派で科学的な学術本です。

「バンジージャンプは落下した後の急減速がむしろ危ない」、「 宇宙ステーションで寝るときは空気の対流の向きを考慮しておかないと、 自分の吐いた二酸化炭素で窒息死する危険性がある。」など、我々が日常平然と過ごしているだけでは得られない有益な情報が387ページにもわたって、綴られています。「長いあいだ、無酸素でエベレストに登頂することは不可能だという誤解が広まったのはなぜ?」といった疑問も解決します。

早速、本書のエッセンスを見てみましょう。

▼ここから

高度が上がるにつれて空気の密度が薄くなるということは、高いところに登るほど気圧が下がるということだ。この法則に最初に気づいたのはフランスのブレーズ・パスカルで、1648年に中央山地のピュィ・ド・ドームに登り、「最高の経験」をしたときのことだった。簡単に言えば、高く登るほど上から押される空気の重さが減って、それだけ気圧が減る。

18900メートル以上では、血液が体温で「沸騰する」。文字どおり気化するのだ。

最大限に順化っせた場合でも、7900メートルより上に登ることは危険で、滞在時間は二、三時間にとどめなければならない。これは登山家のいう「デス・ゾーン」で、それ以上の標高に長くとどまると、体の機能が急激に低下する。

急性高山病の原因は完全には解明されていないが、血液中の酸素濃度が減ることと、血液の酸度が低下することの両方が腱を踵の状態になるという説もあり、標高5300メートルで脳の血液の流れを測定した実験がそれを裏づけている。

肺浮腫は、肺の中の血管が、高高度で酸素が薄くなることに反応して起こると考えられている。

呼吸が速くなるとそれだけ多くの二酸化炭素が吐き出され、肺胞と血液の二酸化炭素濃度が下がる。二酸化炭素は呼吸を調節する重要なバロメーターで、血液中の二酸化炭素濃度が下がると、呼吸が抑制される。

息を止めていられなくなるのは、酸素を求めてというより、血液中の二酸化炭素濃度が上がるからだ。

十分に順化した登山家がエベレストの山頂に立ったとき、肺の中の酸素分圧は約三六トルで、それはちょうど人間の生命にとっての限界である。地球上でいちばん高い場所が、人間が自力で生命を維持できる最高地点と同じ高度だというのは、驚くべき偶然だ。エベレストは人間が到達できる限界高度にかなり近いため、季節によって生じるわずかな気圧の差が、無酸素登頂の成否を分けることもある。

アスリートが高知トレーニングをする主な理由の一つは、赤血球の値を増やして血液が酸素を運搬できる量を増やすためだ。赤血球が増えると、血液が体内の組織に運搬する酸素の量も増えるが、同時に血液の粘性が高くなり、心臓が血液を送り出して体内に循環させにくくなる。最近では、赤血球が増えることの効果はあまいrないと考えられている。ラマなど高知の生活に純化している動物の赤血球の数が、低地の動物とほどんと変わらないことからも推測できる。

低地で生まれ育った人が成人してから高地に移り住むと、かなり長いあいだ暮らしても、生まれたときから高地にいる人と同じレベルまで順化することはできない。

▲ここまで

「現在の世界記録は2007年のアサファ・パウエルで9秒7だが、人間のスピードは限界にほぼ近づいたのだろうか。」とありますが、本書が発刊されたのは、2008年。当時、ウサイン・ボルトは登場していませんでした。その後、生理学的な制約を大きく塗り替えた出来事は、興味深いです。

読後に感じたことは、人間ってすごいんだなと(笑)

この本を読んだ人と読まなかった人では、もしものときに生死を分けることになるかも?昔から物理学や科学読本的な本が大好きだという方は、ぜひチェックしてみてください。読んで、損はしない一冊です。

【極限雑学!生きるか死ぬかの極限状況で】
『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト著 Vol.068







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“キャプテン”安藤大(あんどう ひろし)
トレイルランナーズ大阪代表
米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ
ランニング歴24年以上
トレイルランニング歴14年以上
コーチ指導歴11年以上

大阪府生まれ。2012年にランニングコーチとして起業し、コーチ指導歴は11年以上で全国の500人以上のランナーを個別指導。説明は「わかりやすい」と学生からシニアまで初心者の指導に定評がある。自身も現役のランナーで実践的な指導は具体的。

ランニング歴は24年を超え、世界一周ランを目標に北極マラソンや氷上マラソン、マチュピチュマラソンなど28か国のレースに参加。

2012年3月に『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、10年間でのべ1万人以上のランナーが集まる人気に。全国で山でのマナーや歩き方、走り方の啓蒙活動を行っている。ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回る「夢」を実現し、「グループで走る楽しさ」の魅力を伝え続けている。

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