【必読!世界ナンバー1ランニングコーチが教える】
『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』(ジャック・ダニエルズ・著)Vol.079
こんにちは。トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
全世界のランナーにとってのバイブル 『ダニエルズのランニング・フォーミュラ/Daniel’s RUNNING Formula』(ジャック・ダニエルズ・著) に改訂版がでましたね。
右が今回買った最新第3版、左が旧版。
著者名がアメリカの代表的なウイスキー「ジャック・ダニエル」と似ているので、酒好きには一度で覚えやすい名前です(笑) 著者は 『ランナーズ・ワールド』誌上で「世界一の指導者」と評され、市民ランナーから世界のトップアスリートにまで大きな影響を与え、特にトレーニングすべてに使える「VDOT一覧表」は作成してから30年の間、選手や指導者に使用されています。
たとえば、トレイルランナーで日本でも馴染みの深い、フランスのセバスチャン・セニョー(Cebe Sebastien Chaigneau)、アメリカのセージ・カナディ(Sage Canady)も信奉者です。ジム・ライアンやマラソンオリンピックレベルアスリートで、ウェスタンステイツ・エンデュランスラン女子優勝のマグダレナ・ブーレ(Magdalena Boulet)は教え子に当たります。
今回の改訂版は第3版の翻訳版で表紙も新しくなり、 Amazonの内容紹介によれば、
「トレッドミルトレーニングや高所トレーニングを新たに追加。 初心者・市民ランナーから使える最少努力で最大効果をもたらす世界最高のトレーニング本 第3版は、内容を刷新し、高所トレーニング、シーズンの構築、トレッドミルトレーニングを新たに盛り込んだ。これまでになく包括的で読みやすく、すぐに実践することが可能。現在の分の体力、レースの目標、スケジュールに合わせてプログラムをカスタマイズすることもできる。 」
とのこと。
「トレッドミルトレーニング」と「高所トレーニング」が新たに追加されたのは嬉しいです。2016年8月に南米で標高が3500メートルの高地で行われるレースに出場する予定なので、知識を身に着けて実践できます。
僕は旧版も持っています。時間をかけて読み込んできました。今までの版と同じように、また穴があくほど読み込みたいと思います。
早速、本書の中身を見てみましょう。
▼ここから
誰でも自分なりのトレーニングから得られるものは、必ずある。なぜなら、自分に合ったトレーニングをしようと思えば、距離、ペースなどによって、トレーニングはいかようにも変えられるからだ。
ものごとに成功するための基本的な要素としての4つは先天的な能力、意欲、チャンス、指針である。
選手は誰でも、短期的目標と長期的目標とを持っているべき。
コーチにとって、これからの指導法を決めるために必要なのは、今まで選手がいかなる理論で指導されてきたのかを知ることである。
何人ものコーチにつくと、しっかりとした一貫性のあるトレーニングメニューをこなす機会は少なくなる。
毎年、毎シーズン伸び続けようとするより、2~3年のスパンで進歩したほうがよい。選手には、短期間で成長する人とそうでない人とがいる。
レースの距離が長いほど、調子の悪いときに走るとダメージが大きくなる。
選手にとっては一貫したトレーニングを行うことこそが、成功につながるもっとも重要なそしてただ一つの道である。
技術を忘れて苦しみながら走るようでは、ランニングの経済性を向上させる練習にはならないし、ペースが落ちればスピードも養成できない。
最も大きな効果は、最もきついトレーニングではなく、最も少ないトレーニングで狙うもの。
前の週より速く、前回の練習よりも速く、などと言って1週間ごとに、1回ごとに刺激を上げるのは間違いだ。
私は1分間180回程度のピッチを目指すよう強く推奨している。設置の衝撃をできるだけ少なくするためだ。脚の回転が遅くなるほど滞空時間は長くなる。
接地時につま先が外側を向いていると、シンスプリントにつながることが多い。
過剰なCO2を取り除こうとして呼吸が荒くなる。トリガーとなるのはO2の減少ではなくCO2の増加なのである。
1分間の総呼吸量は、呼吸の深度と速度で決まる。
▲ここまで
マラソンレースに向けたメニュー、ケガや故障の後のメニュー、800メートルから1500メートル、クロスカントリー、5~10キロ、15キロ~30キロ、マラソンにまで対応、ランナーの目的やレベルに合わせてトレーニングできます。
「VDOT一覧表」をよく理解するだけでも本書の購入価値はあります。
ランナーの手元に一冊、幾度となく読み返したい本です。
【必読!世界ナンバー1ランニングコーチが教える】
『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』(ジャック・ダニエルズ・著)Vol.079
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。