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『ダイエットの科学「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』ティム・スペクター・著 Vol.144

投稿日:2018年3月23日 更新日:

【世の中に溢れる食品の健康効果のウソ、本当】
『ダイエットの科学「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』ティム・スペクター・著 Vol.144
 
『ダイエットの科学「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』ティム・スペクター・著 Vol.144
 
僕が最近読んで「これは深く、面白い!」と思ったのが、本日ご紹介する一冊です。
 
ロンドン大学の遺伝疫学教授が執筆し、イギリスでベストセラーとなった『The Diet Myth~The Real Science Behind What We Eat(邦訳は、『ダイエットの科学「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』)。
 
この本の厚さ!432ページの 大ボリューム、価格は2,500円(税抜き)。
 
これだけ分厚く、高価な専門書を購入し読破しようという人は少ないでしょうから、ここで情報量に差がつきます。
 
近年、書店に行けば「医者が教える〇〇食事術」「〇○ダイエットへの警鐘」など多くの健康本がずらりと並び、いわゆる”健康本ブーム”により食品に関する情報が錯そうしています。いったい何が正しいの?と感じる人も少なくないでしょう。
 
本書には、著者の膨大な研究データに基づく、本当に体に良い食生活の秘密が書かれています。
 
・脂肪の多い食事は体に悪い?
・カロリー計算を正しく行えば痩せられるのウソ
・痩せるためには何キロ走るべきか?
・脂肪とは何なのか?
・脂肪はいつから悪者になったのか?
・ヨーグルトで本当に痩せられる?
・エクストラバージンオリーブオイルの効用
・朝食は必ずとるべき?
・ビタミンサプリで健康になれる?
・太るのは私の意志が弱いからだは本当に事実?
 
 
赤ペン、付箋がびっしり!早速、本書の中身をチェックしてみましょう。
 
▼ここから
テレビを1日2時間見ると、心臓疾患と糖尿病のリスクが20%増加する。
 
一日約30分のウォーキングをし、たまにはジョギングもした(やっかいなケガの期間をはさみながら)。平均して毎週3500キロカロリー多く消費しているはずだったし、いつもより余分に食べているという意識もなかった。ところが、10週間で減ったのはわずか1キロ。例の脂肪とカロリーの神話にもとづく計算方法が正しければ5キロ減るはずだったのだが、その数字には遠くおよばなかった。
 
毎年の走行距離を一週につき4、6キロずつ増やし続ければ、運が良ければ同じ体重を維持できるかもしれないが、そうなると、最終的には1週間に100キロ以上走らなければならなくなる。
 
運動だけで体重を減らそうとしても効果はない。
 
人気シェフがココナッツオイルはオリーブオイルよりも健康に良いと勧めているのを見かけるが、気がかりな傾向だ。そうした話を裏付けるエビデンスはまったくないからだ。
 
コレステロールの80%は体内で生合成されており、食べものとして摂取されるのは20%程度にすぎない。そしてこの複雑な脂質は、体のありとあらゆる細胞で使われている。
 
どんな食事をしているにしても、腸内細菌には必ず人それぞれの特徴がある。
 
腸内細菌の組成は人によって異なるということ、そして同じものを食べていても、それに対する反応が同じでないのは、そうした組成の違いかもしれないということ。
 
乳製品中心の食事と、乳製品を含まない食事を比較する臨床研究がいくつか実施されたのだが、どの研究でも乳製品を摂取したグループのほうが、わずかながら体重の減り方が大きかった。
 
8000人の男女を6年半にわたり追跡調査した結果、脂肪分を取り除いていないヨーグルトを消費した場合にわずかな減量効果が見られた。少なくとも一日一皿のヨーグルトを食べれば、肥満のリスクを40%減らせるというのだ。つまり、乳製品からのカロリー摂取の割合を増やしても、将来考えられていたような体重増加につながらないばかりか、数キロ体重を落としたいときに効果を発揮することが示された。
 
ヨーグルトの最近はふつう、補給しないかぎり私たちの体内からいなくなってしまうので、効果を得るにはヨーグルトを毎日欠かさず食べる必要がある。
 
市販のヨーグルトの多くは、低脂肪と宣伝されていても、砂糖や甘味料やフルーツピューレをたくさん含んでいる。そうしたものは、微生物の成長や機能を妨げかねない。
 
肉を食べると、心臓疾患による死亡率が20%増加するとされているが、その理由としては、肉には心臓疾患のそもそもの原因であるコレステロールと飽和脂肪酸が多く含まれているためだというのが定説だった。しかしこの考え方は、肉には不飽和脂肪酸も多く含まれている点を無視している。
 
トランス脂肪酸は、毎日の摂取カロリーに占める割合が1~2%と非常に少ない場合でも、血中の脂質値をお幅に上昇させ、心臓疾患や突然死のリスク(がんは含まない)を3倍に高めることがわかっている。
 
トランス脂肪酸の摂取が原因で死亡する人は、推定で毎年25万人。
 
▲ここまで
 
本書の中で一番勉強になったのは、「腸内細菌」について。<どんな食事をしているにしても、腸内細菌には必ず人それぞれの特徴がある。>人それぞれの腸内細菌があり、それによって食品に対する反応や効果も異なる、と。ここのところ食品(外部)にばかり目がいって、腸(内部)を整えることには意識がいっていませんでした。反省です。
 
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、動物性たんぱく質、非動物性たんぱく質、糖類、人工甘味料・保存料など…これ一冊で、巷に溢れている健康本の「本当はどうなの?」がよくわかります。
 
食品の健康効果や危険性についてもっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひチェックしてみてください。
 
【世の中に溢れる食品の健康効果のウソ、本当】
『ダイエットの科学「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』ティム・スペクター・著 Vol.144
 
■目次■
1 ダイエットという神話
2 微生物:ダイエットとマイクロバイオーム
3 カロリー:運動で本当に痩せられるのか?
4 総脂質:体に良い脂肪、悪い脂肪
5 飽和脂肪酸:乳製品のすすめ
6 不飽和脂肪酸:オリーブオイル、そのほか地中海式食事
7 トランス脂肪酸:ジャンクフードの恐るべき真実
8 動物性タンパク質:肉と魚と旧石器時代
9 非動物性タンパク質:豆、海藻、キノコ
10 乳製品由来のタンパク質:「牛乳を飲めば大きくなる」は本当か?
11 糖類:あらゆるところに忍び寄る砂糖の影
12 糖質(糖類以外):スーパーフードに騙されるな
13 食物繊維:プレバイオティクスという新しい科学
14 人工甘味料および保存料:ダイエット飲料の甘くない現実
15 カフェイン:コーヒーとチョコレートの誘惑
16 アルコール:百薬の長か、万病の元か
17 ビタミン:サプリメントを買う前に
18 抗生物質:腸内細菌の殺戮兵器
19 ナッツ:食品とアレルギー
20 賞味期限:捨てられていく大量の食品
21 騙されないためのチェックポイント







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【名前】安藤 大(あんどう ひろし)HIROSHI ANDO
【通称】キャプテン、赤い彗星
【経歴】プロ・ランニングコーチ

トレイルランニング歴は15年以上、コーチ指導歴は13年以上、初心者にも「わかりやすい」と指導には高評価がある。

「体育の成績は2、走るのは苦手」だった人がランニングコーチに。

自身も現役のランナーでこれまでに「百戦錬磨」100戦以上、海外28か国30地域でレースに出場し、トレイルランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。

2012年から「はじめてのトレイルラン」教室を開講し1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動を行い、グループランの楽しさを伝えている。

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