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おすすめランニング本

『サバイバルボディー』スコット・カーニー・著 Vol.161

投稿日:2018年10月31日 更新日:

【 上半身裸に短パン姿の軽装で、キリマンジャロに登頂できた秘訣とは?】

今日ご紹介するのは、先日ご紹介した”アイスマン”ことヴィム・ホフが主催する、ポーランドで行われているトレーニングプログラムに、疑いの目で参加をしたジャーナリストの話です。「インチキだ」ということを証明するために参加をした著者が、「ホンモノだ」と自分で証明することになり、どっぷりとハマりこんでいく過程が興味深い一冊。

参考:『病気にならない体のつくりかた』

アマゾンの内容紹介から

過酷な環境にわが身をさらし、ついに「凍えぬ体」を獲得したジャーナリストが、エビデンスを示しながら「潜在的な身体能力を引き出す方法」の一部始終を明かす体当たりサイエンス・ノンフィクション。中年に差しかかり、膨らむ一方のウエスト周りを気にしつつ運動不足解消にあまり積極的ではなかったジャーナリストが、呼吸法と寒冷刺激によって人間の眠っている身体能力を引き出すトレーニング法を編み出したという、「アイスマン」ことヴィム・ホフのトレーニング・プログラムに参加した。当初は、このいかにも怪しげなホフの正体を暴いてやろうと意気込んでいたのだが……。
著者のスコット・カーニーは、ホフからだけではなく、ホフの呼吸法を取り入れているという著名なサーファー、レアード・ハミルトンや、高強度インターバルを提唱しているブライアン・マッケンジーに学び、キリマンジャロ登頂に挑みます。

本書のハイライトはこのキリマンジャロ登頂に至るまでの過程でしょう。 ホフ一人ではなく、彼の門下生を含む26人で挑戦。26人中24人が標高5,895mの山頂、ウフル・ピークに到達。全員登山経験はなかったというから、さらに驚きです。メンバーの中には病人も含まれ、多発性硬化症、前立腺がん、膠原病を患っていた人も全員が登頂した。

なぜそんなことができたのか?その一部始終を綴ったのが…

本書で成功体験を読んだからといって、安易に真似をしてしまうと、危険な内容となり得ます。

内容をさっそくチェックしてみましょう。

▼本書より

高山病にはどんな屈強なアスリートといえども油断できない。

彼女の皮膚の下では神経と筋肉が相次いで反応して血管を収縮させるので、筋肉が寒さに慣れていないと痛みを感じる場合もある。もしも彼女がいきなり突拍子もない行動に出て、靴を脱いで裸足で雪の中に踏み出せば、40度近く温度が下がるため、燃えさかる石炭の上を歩いているように感じるだろう。

オランダ人で、自分の体温を意のままに上下させ、免疫システムを意志の力だけで操ることができると主張している、カリスマ的存在だった。

ホフの深部体温は最初に数度下がったものの、ふたたび上昇した。ホフのメソッドが有効だと初めて科学的に証明されたのだ。

低体温症患者を治療する救急救命士が「アフタードロップ」と呼ぶ現象だ。血管収縮が起きている間、手足は体の深部よりもはるかに冷たくなる。体温が上がり始め、血液がふたたび血管の中を流れだ出す。冷たい腕や手や足を通過する際に冷えた血液が、最終的に心臓に戻って深部体温を下げる。

「山の断崖に風が吹きつけるときは、心の傘で目の前の空気を切り開いていくんだ」

2016年には、カナダのオンタリオ州ハミルトンにあるマクマスター大学の研究で、全力のインターバル・トレーニングをほかの一分間行うだけで、45分間軽く走るよりも減量効果が高いことが明らかになっている。

マッケンジーは40歳のトレーナーで、かれこれ10年以上、従来の考え方に逆らい、長距離レースに備える最良の練習方法は、競技場のトラックや歩道を何キロも延々と走り続けることではなく、能力開発、人間の動作、そしてもっと短い、高強度ワークアウトに重点を置いたトレーニングだと主張する。

HIITを支えている理論は、全力を出し切ってトレーニングすることで総合的な運動能力が向上するというものだ。息が上がって失神寸前になるようなペースで30秒間ダッシュするトレーニングを数回やれば、体は予備のリソースを利用せざるを得なくなる。

水に入っているだけで、まず心拍数が低下し、次に皮膚にかかる圧力が増して、身体はありとあらゆる反応を起こす。高い負荷は維持したまま、関節と筋肉への負担は軽くなるので、エクササイズの衝撃も緩和される。

ディーンはアメリカで同じような障害物を作る計画に利用できるよう、注意深くメモを取り、障害物の写真と販促資料のコピーを取った。そしてそれっきり、ぱったり連絡をよこさなくなった。

ウィルソンはいまだにタフマダーはタフガイのパクリだと主張している。

タフガイのねらいは障害物を克服することがけにとどまらない。すっかり生まれ変わることでもある。

私はシャツを着ないメリットがもう一つあるのに気づいた。濡れたままで走り続けなくて済む点だ。障害物をクリアするたび、ほとんどの参加者が濡れたままでいるのに対し、私の場合は乾かせる可能性があった。

ヴィム・ホフ・メソッドの基本となるコンセプトはごくシンプルだ。定期的に体のストレス反応を刺激すれば、闘争・逃走反応ををある程度コントロールできる、というものだ。
ホフのメソッドの目的は自然の力に負けなくなることではない。冬のシベリアで命を落とした無数の兵士たちが証明するように、自然との戦いに勝つのは常に自然だ。ストレス反応を鍛えることで、周囲の環境が過酷になった場合のコントロール方法を確保できるにすぎない。

ディーンはタフマダーを、30年近い歴史のあるタフガイがやらなかったかたちでグローバルなブランドに成長させた。
▲ここまで

<2016年には、カナダのオンタリオ州ハミルトンにあるマクマスター大学の研究で、全力のインターバル・トレーニングをほかの一分間行うだけで、45分間軽く走るよりも減量効果が高い>

<高山病にはどんな屈強なアスリートといえども油断できない>

個人的には、暑さや寒さは体温をコントロールし耐えうることができても、高山病はどんな人もコントロールできず注意を払う必要があるというのは興味深かったです。

最近人気の障害物レース(OCR:Obstacle Course Racing)に”元祖”、タフガイという伝統的なレースがイギリスにあったことは知りませんでした。またその”元祖”をパクった人がいて一躍世界に広まったというエピソード、タフマダーの創業者を名指しで非難しており、ちょっと衝撃的な事実です。

読み物として面白いです。ぜひチェックしてみてください。
【 上半身裸に短パン姿の軽装で、キリマンジャロに登頂できた秘訣とは?】







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“キャプテン”安藤大(あんどう ひろし)
トレイルランナーズ大阪代表
米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ
ランニング歴25年以上
トレイルランニング歴15年以上
コーチ指導歴12年以上

日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。

自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。

2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。

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