『ドキュメント御嶽山大噴火』山と渓谷社編 Vol.064
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
御嶽山。御嶽山といえば、トレイルランでは人気スカイランニングレース、「OSJおんたけスカイレース」の舞台としても知られていました。噴火によって、幻のレースとなってしまったことは、非常に残念です。それと同時にトレイルランは、まさに自然と舞台にしたスポーツであることを多くの人が思い知らされたことでしょう。
本日は、御嶽山噴様子を当日その場にいた登山者や山岳ガイドなど7名の証言者の言葉を元に10日間の出来事としてまとめ、さらに専門家による科学的考察を追記したドキュメンタリー。巻頭の見開きには、噴火当日カラー写真が4枚。灰色に包まれた山荘の景色が噴火の凄惨さを物語っています。
「有毒ガスさえ来なければ、何とかなるかな」「救助隊は見つけてくれるかな」「水が500CC、温かい紅茶も行動食もある。4日くらいならここでしのげる」噴火当時、その場にいた地学の研究者も「大丈夫ですよ。心配ありませんよ。」という判断をしていたことなどが生々しく伝わってき、あまりの緊張感に息苦しくなりました。
実際に噴火が起きると「どんな状況になるのか」「その際に何に気をつけ、どのように行動ようと考えるか」の参考になります。
本書の中で、「山は100パーセント安全な場所ではないので、何かあれば自分の身は自分で守る」とありますが、その意識づけのためにも目を通しておきたい一冊です。
『ドキュメント御嶽山大噴火』山と渓谷社編 Vol.064

管理人:安藤大(あんどう ひろし)大阪府出身。プロ・ランニングコーチ。2012年から「はじめてのトレイルラン教室」を開講、21都道府県で1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動に注力し、グループで走る楽しさを伝えている。
15年で参加をした大会は「28か国、28都道府県」で100を超え、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。
2024年10月に『極寒!はじめての北極マラソン』を初出版。Amazon2部門1位&ベストセラーに。