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史上最恐のソロクライマー、初の自伝!『ALONE ON THE WALL(アローン・オン・ザ・ウォール)』アレックス・オノルド・著 Vol.072

投稿日:2016年2月21日 更新日:

【クライミング界で最も注目されている男の初の著書! 】
『ALONE ON THE WALL(アローン・オン・ザ・ウォール)単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡』アレックス・オノルド・著 Vol.072
『ALONE ON THE WALL(アローン・オン・ザ・ウォール)単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡』アレックス・オノルド・著

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

マラソンやトレイルのレース中に自分の感情をコントロールすることは、並大抵のことではない、 上手にできないと感じる人が多いのではないでしょうか。

本日ご紹介する一冊は、今、クライミング界で最も注目されている男の初の著書!極限のフリーソロ、最速のスピード登攀、ピオレドール受賞…”史上最恐のソロクライマー”、アレックス・オノルド/Alex Honnoldの自伝です。共著者は、自身も登山家で山岳ノンフィクション作家として知られる、デビッド・ロバーツ。

フリークライミングとは、ロッククライミングの内、安全のため確保用具は使用するが、それに頼ることをせず自己の技術と体力で岩を登るものを指します。つまり、ロープなしで断崖絶壁をよじ登るのです。まずは、ノースフェイスのこちらの映像をご覧ください。

アスリートの自伝は数多くありますが、読みながら手に汗握る本にはそうそう出合えるものではありません。

本書のオビで<ロープなし。落ちたら最後。男はなぜ、極限のフリーソロに挑むのか> とあり、かねてから著者である「アレックス・オノルド/Alex Honnoldのクライミング中の心理状態を知りたい」と、すぐさま購入しました。 本書を読む前までは、「だれもが感じる恐怖や当たり前の感情を一切感じていないのでは」と思っていましたが、われわれと同じく恐怖を感じることに驚きと安心感を抱きました。

世界有数の絶壁を脅威のスピードで登頂する彼の精神力や技術を本書を通じて知ることができ、登場する人物も魅力的ですが、中でも恐怖に対する向き合い方や考え方が、感情をコントロールする上で実に参考になります。

さっそく、その内容をご紹介しましょう。

▼ここより

落ちたら死ぬことについては、「人生で最悪の四秒になる。いちばん好きなことをしているときなんだから仕方ないと言う人もいれば、ただの愚か者だねと言う人もいるのはわかっている。」

「僕はいつもリスクのことを”実際に墜落する可能性”と呼んでいる。結果とは、実際に落ちたときに起こることだ。つまり、ぼくはソロで登るときのリスクを低く抑えようとしている。もし落ちたら本当に重大な結果になるとしても、落ちる可能性が低くなるようにしているんだ。」

アレックス・オノルドは、長大なルートをフリーソロするとき、墜落を止めてくれるパートナーにもロープにも一切頼らない。ボルト、ナッツ、カムといったプロテクションを設置して人工で登っていくことも、墜落したときの安全を確保することもしない。

フリーソロとはこれまでに考えうるクライミングのなかで、最も冒険的ーつまり最も純粋なジャンルで、一歩間違えば重大な結果が待ち受けている究極の冒険なのだ。

どういうきっかけでフリーソロになったのかと、ことあるごとに質問を受ける。岩場で知らない人に近づいていって、ぼくとロープを組んでくれませんかと頼むのが恥ずかしかったから、というのが理由だ。

「一か月ほどまったく登らずに過ごすことは?」「それはありえない。一か月なんて想像もつかないよ。”しばらく”っていうのは三日ぐらいのことかと思ったんだ。」

「死後の世界も神も信じていないのなら、この世の命がいっそう貴重なものになるのではありませんか?」アレックスの答えはこうだ。「そうなるね。でも、貴重だからといって、それを大事に守らなくてはならないわけじゃない。新車を買って、車に傷がつくのを恐れている人を思い浮かべてみてくれ。すごい車を持っているのに、傷を付けるのが怖くて乗らないとしたら、何の意味がある?ぼくなら、自分の車でこれまで行ったことのない面白そうな場所に出かけるよ。」

僕にとっていちばん重要なのは、恐怖を感じずに登ることではなくーそんなことは不可能だからだー恐怖が細胞の一つ一つに忍び込んできたときに、それにどう対処していくかということだ。

休憩することは両刃の剣になりうる。フリーソロで登っているときには、足の痛みも体の疲れも消えていると感じるのだが、いったん休憩を取ってしまうと、痛みは疲労感が戻ってくる。それを即座に意識から締め出し、緊張感を取り戻さなくてはならない。

「オノルドのやつは月のうえを歩いているんだよ、僕に言わせればね。」

▲ここまで

ボルダリングやクライミングの初心者や興味のなかった方でも、 フリークライミングの手に汗握る臨場感を本書を通じて楽しめるので、 ぜひ買って読んでみてください。

【クライミング界で最も注目されている男の初の著書! 】

『ALONE ON THE WALL(アローン・オン・ザ・ウォール)単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡』アレックス・オノルド・著 Vol.073

本書で書かれる7つのクライミング

1) ムーンライトバットレス(フリーソロ) 5.12c,

2) ハーフドームのダイレクト・ノースウェスト・フェイス(フリーソロ)5.12a,

3) レインボーウォール、レッドロックス(フリーソロ)

4) “ヨセミテトリプル”, マウント・ワトキンス南壁、エル・キャピタンのノーズ・ルート、ハーフドーム北西壁、を連続登攀。18時間50分

5) ザ・ノーズのスピード登攀

6) メキシコ エル・センデロ・ルミノソ (フリーソロ)

7) パタゴニア・フィッツロイ・トラバース (ピオレドール受賞)







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【名前】安藤 大(あんどう ひろし)HIROSHI ANDO
【通称】キャプテン、赤い彗星
【経歴】プロ・ランニングコーチ

トレイルランニング歴は15年以上、コーチ指導歴は13年以上、初心者にも「わかりやすい」と指導には高評価がある。

「体育の成績は2、走るのは苦手」だった人がランニングコーチに。

自身も現役のランナーでこれまでに「百戦錬磨」100戦以上、海外28か国30地域でレースに出場し、トレイルランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。

2012年から「はじめてのトレイルラン」教室を開講し1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動を行い、グループランの楽しさを伝えている。

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