【あなたの家のオリーブオイルは「本物」ですか?】
本日ご紹介する一冊は、「オリーブオイルビジネスの裏側」。日ごろ家でオリーブオイルを愛用されている方にはぜひ読んでいただきたい、衝撃の事実の数々。 我が家では、オイルはMCTオイルとオリーブオイルの2本。サラダはドレッシングをかけずにオリーブオイルで調味するので、そのオリーブオイルについてもっと知識を深めたく手に取ったのが本書です。
著者は、日本を代表するオリーブオイルの専門家で日本オリーブオイルソムリエ協会理事を務める人物。 日ごろどのような過程でオリーブオイルが作られているのか目にする機会もなく知りませんでしたが、「タンクの中の檻が腐敗発行してしまったオリーブオイル」の巻頭カラー写真を見て、いきなりぞっとしました。
中身は、業界人でしか知らないような事実ばかり。
このようなタイトルと内容で本を出すことには勇気もいったことでしょうし、著者のオリーブに対する愛、「安心していいオリーブオイルを購入できる世の中になって欲しい」という思いが感じ取れました。
早速中身を見ていきましょう。
▼本書より
流通しているオリーブオイルの多くは輸入ブランド品ですが、そのうち「本物」はわずか20%に満たず、残念ながら残り80%程度はすべて「偽物」です。
有名デパートAでは15品中11品が偽物、高級スーパーBでは18品中15品が偽物など、わたしの実感を裏付けする結果となりました。
「オリーブオイル」だったのは73品中たった3品だけ!
2015年に行われたミラノ万国博覧会での調査では、外国人訪問客の99%が、イタリアのオリーブオイルは混ぜ物であり消費者はだまされていると感じていることが示された。
日本にはエキストラバージンに関する法規定はなにもない!
オリーブオイルといえば、通常は生の新鮮なオリーブ果実から物理的な機械的処理(粉砕や圧搾、遠心分離)のみでオイルを取り出して作られるバージンオリーブオイルのことを指します。いわゆる「一番搾り」。
バージンオリーブオイルの中にはさらに細かい等級があり、最高グレードが「エキストラバージン」、次に「バージン」、「オーディナリーバージン」そして「ランパンテバージン」と続いていきます。
どんなにひどい品質のオリーブオイルであっても、日本ではラベルに「エキストラバージン」と書いて何のおとがめもありません。
もともと国際オリーブ理事会(IOC)が定めた化学分析検査は設定基準がかなり緩く、品質が悪くて合格してしまう程度の基準。
日本国内においては、どんなに品質の悪いオリーブオイルであっても、あるいは中身の品質とは全く異なるような、魅力的な文字が商品ラベルに記載されていたとしても、最低限の緩い取り決めであるJAS法さえ満たしていれば、販売者はその責任を追及されることはありません。
品質の等級に関しては、最低限の取り決めを除いて規定がない。「エキストラバージン」は、国内法では何の意味もない。
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本書の内容を簡潔にまとめれば、「オリーブオイルの品質は価格と関係がなく、高価であれば良いというものではない。しかし、本当にいいオリーブオイルが安く手に入るはずがない(それなりの値段はする)。」ということ。
「エキストラバージンのウソ」「原産国表記のウソ」「他の安オイルとのブレンド」「アップグレード偽装」…。
本当にショッキングな事実でした。
オリーブオイルをきちんと選ぶうえで勉強になる一冊でした。
家族の健康のために使う油をオリーブオイルに変えた皆さま、オリーブオイルに関心のある方は必読です。
管理人:安藤大(あんどう ひろし)大阪府出身。プロ・ランニングコーチ。2012年から「はじめてのトレイルラン教室」を開講、21都道府県で1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動に注力し、グループで走る楽しさを伝えている。
15年で参加をした大会は「28か国、28都道府県」で100を超え、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。
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