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おすすめランニング本

『プリズナー・トレーニング』ポール・ウェイド・著 Vol.132

投稿日:2017年11月8日 更新日:

【見せかけの筋肉にさよなら!自重力トレーニングのバイブル】
『プリズナー・トレーニング』ポール・ウェイド・著 Vol.132

『プリズナー・トレーニング』ポール・ウェイド・著 Vol.132

こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

本日ご紹介するのは、『プリズナー・トレーニング』。“元囚人”という著者の異質な経歴にインパクト大な本のタイトルで、自重筋力トレーニングの教本として一躍全米ベストセラーとなった一冊。

自重筋力トレーニング(キャリステクニクス )とは、文字通り「器具をほとんど必要とせず、自分の体重を利用した筋力トレーニング」のこと。

本のタイトルの”プリズナー”とは、「囚人」。著者は“元囚人” というほかに例をみない経歴の持ち主。監獄の中で生き残るため、己の体を極限まで鍛え、日々トレーニング研究し実践。やがて監獄の中でコーチと呼ばれ慕われるまでになり、看守からも一目置かれるようになる。そのノウハウを看守から「本にしたらどうだ?」の薦めで生まれたのが本書です。

迫力のカバーイラストは、 漫画『グラップラー刃牙』の人気登場人物の一人、ビスケット・オリバ! 怪力無双のキューバ系アメリカ人で、オリバもまた刑務所に収監されていた人物です。

表紙の迫力と325ページにわたる本の分厚さに購入を躊躇していたのですが、購入したきっかけはスパルタンレースに参加したときのこと。自分よりも20kg以上体重が重く、ムキムキの筋肉質の男性が20kgの砂袋や50kgの砂利バケツを運ぶのに苦労しているのを見て、「ジムのマシーンで鍛えた筋肉は実践で使える筋肉ではないのだな」「ジムでは見た目、上半身が中心で下半身を積極的に鍛えるのは少数派。」「強さは、上半身ではなく下半身に宿るのだな。」と衝撃を受けたことから。そう感じて「実践で使える筋肉をつけよう」と手に取ったのが本書です。

僕は特別にトレーニングしたわけではありませんが、トレイルランニングを通じて山道で鍛えた足が自然と重量運びにも生きたのだと思います。

早速本書の中身をご紹介します。

▼本書より

「昔の男たちが強かったのは、自分の体重を使っていたからさ」

強さを手にした男性のだれもが、真のパワーは、筋肉の大きさよりも関節や腱の強さから生まれると語る。

筋肉を適切に機能させる最高のアプローチ法は、体全体を完全に動かす最小限に絞ったエクササイズを続けることにある。

アスリートに必要なのは機能性だ。脚について言えば、強さより可能性だ。筋肉はスムーズな動作の中でつくられる。

プルアップだけで、指と手のひらが強くなる。前腕にある屈筋も強靭さを増す。プルアップは腹部と股関節にも強さをもたらす。

コンビクト・コンディショニングではバーを握った手に向かい、重力に逆らって体幹を引っ張るエクササイズのすべてをプルアップと呼ぶ。筋力強化を目的にしたプルアップの理想的な動作域は、腕がほぼまっすぐのところから(ただしわずかに曲がっている)、顎がバーの上を通過するところまでだ。

腹部トレーニングは、食べ物が消化されていないとうまくできない。食後、2時間以上経ってからトレーニングするようにする。

ダイナマイトを鉛筆で1000回こづいても爆発しない。しかし、ハンマーで1回叩くと爆発する。同じことが筋細胞にも当てはまる。弱い収縮を重ねても何も起こらない。大きくも強くもならないのだ。それが、電気的に腹筋を刺激するおもちゃに効果がない理由だ。筋肉を軽く収縮させるだけの繰り返しだからだ。

もし世界中でもっとも大切なエクササイズはなにかと問われたら、ブリッジだと答えるだろう。

冷たくなっている時は、細胞レベルで繊細になり、ストレスと受けると傷つきやすい。温かくなると、そこに伸縮性と柔軟性が生まれる。どの程度のウォーミングアップが必要かは、気温、コンディション、年齢によって異なってくる。

どんなトレーニングプログラムであっても、ゆっくり、順序だって進めるべきだ。それには理由がある。薪をガンガン突っ込んで先を急ぐより、ゆっくり蒸気を上げていったほうが、はるかに早く目的地に達するからだ。

関節と筋肉に準備ができたら、常に激しきトレーニングすべきだ。

直近のパフォーマンスの状態がわからないと、今回、乗り越えるものが何かを知ったり、自分が進歩しているかどうかを分析したりすることができなくなる。

キャリステクニクスは筋力トレーニングであり、大切なのは、量ではなく強度だ。強度と量は相容れないものだ。それらは両立しないのだ。

ジムでのマシーントレーニングやボディビルダー、ウェイトリフティング信奉者を否定する表現が目立ち、そうした人々からはネガティブな評価がついていますが、中身は至極まっとうな良書です。僕自身は20代のころはほぼ毎日のようにジムに通いトレーニングしていましたが、現在はほとんど器具を使用したトレーニングをしていません。だからジムでトレーニングする人の気持ちも著者の言い分も両方わかります。

「電気的に腹筋を刺激するおもちゃに効果がない」具体的な器具名には触れられていませんが、「シ〇クスパ〇ド」のことでしょうか。

本書の一番良いところは、ステップ1からステップ10まで体力に合わせて段階的にトレーニングできるようになっており、初心者から経験者まで実践できること。自分がレベルアップしていくのが楽しくなります。

腕立て伏せや懸垂が1回もできない女性の方でも始められます。しかし、女性の自宅にこの本が置かれていたら男性としてはちょっとドン引きするかもしれませんが…(苦笑)

筋力の不足を感じ今後筋力強化をしていきたいと考えている方は、ぜひチェックしてください。スパルタンレースなど障害物競争に参加を考えている方も課題図書な一冊。

【見せかけの筋肉にさよなら!自重力トレーニングのバイブル】
『プリズナー・トレーニング』ポール・ウェイド・著 Vol.132







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“キャプテン”安藤大(あんどう ひろし)
トレイルランナーズ大阪代表
米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ
ランニング歴25年以上
トレイルランニング歴15年以上
コーチ指導歴12年以上

日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。

自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。

2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。

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