【人類史上最速の男、初の自伝!】
『ウサイン・ボルト自伝』ウサイン・ボルト・著
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
本日の一冊は、100m、200m、4×100mリレーの世界記録保持者、ウサイン・ボルトが2014年6月に著した唯一の自伝で、今回初めて邦訳されたものです。
父は地元のコーヒー会社のマネージャーで、礼儀正しさに厳しい家庭で育ち、幼くしてその頭角を現したボルトの、幼少期から少年期、ジュニアで鮮烈デビューにいたるまでの激動の人生がコンパクトにまとめられています。
偉業を成し遂げた人物には必ずつきまとうことですが、ボルトもまた、ボルトのことを妬む人々からの圧力や誹謗・中傷、金メダルや世界記録更新を期待されるプレッシャーを乗り越えなくてはいけませんでした。
「ところで、ウサイン、君は突然、頭角を現してきた(パフォーマンス向上薬か、ステロイドを使っているのではないか)」ボルトに遠回しに質問を浴びせたジャーナリストに対し冷静に返答した場面や、死ぬ一歩手前だった二度にわたる交通事故など、実じつにさまざまな障害があったようですが、ボルトはそれらをものともせず、あくまで自分の信念を貫き通しました。
読者は、ボルトの競技に臨む姿勢やそこで犯した失敗、困難やプレッシャーに遭遇した際の考え方から、多くを学ぶに違いありません。
ボルトのファンやその素顔に興味のある方はもちろん、レースでいつも緊張してしまうという方には、ぜひ読んでいただきたい、そんな一冊です。
8月22日に開幕する世界陸上2015北京では、ボルトは再び金メダルを手にするのでしょうか?本人はそんな期待に臆することもなく、「より速く」を目指して、手にするのでしょうね。
『ウサイン・ボルト自伝』ウサイン・ボルト・著
◆本書より
俺は倒産から身体的な素質を受け継ぎ(父さんは180cmあるし、体型は同じようにスリムだ)、母さんは俺が必要とした他の才能をすべて与えてくれた。
滑走路は、俺の到着を待つ何千もの人でごった返していた。ファンは、国旗や横断幕を持ってそれを振りながら、ジャンプしていた。なんとそこには首相までいて、俺と握手するために待っていた。国際線の滑走路に入るのは違法だと聞いていたが、ジャマイカではそんな法律は往々にして無視されるのだった。
君はもう単なるウサインじゃないんだ。君はいつでもウサイン・ボルトというブランドであり、ビジネスそのものなんだ。おれは毎日その言葉を噛みしめていたが、それを受け入れることは、俺がこれまでの人生で楽しんできたいくつかのものに別れを告げなければならないことを意味していた。
「おまえの調子が悪いときのことは心配していないんだ」とコーチは話しだした。「調子がいいときの方が心配なんだ。どんどんテストステロンが分泌される。限界を超えてね。そうなるとおまえがトラブルを起こす危険が増すんだよ」
誰よりも足が速いことを当たり前のようにとらえていた。しかし、自己の後ではとても同じようには考えられなくなった。
事故で突然与えられたものが何かを理解し、それを最大限まで究めたいと思うようになった。俺はさらに速く走りたいと願うようになったのだ。
『ウサイン・ボルト自伝』ウサイン・ボルト・著

管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。2012年にランニングコーチとして起業し、全国のランナー500人以上を個別指導。説明は「わかりやすい」と学生からシニアまで初心者の指導に定評がある。自身も現役のランナーで実践的な指導は具体的。ランニング歴は24年以上、世界一周ランを目標に砂漠や北極マラソンなど28か国のレースに参加。2012年3月に『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、11年間でのべ1万人以上が集まる人気に。全国で山でのマナーや歩き方、走り方の啓蒙活動を行っている。ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回る「夢」を実現し、「グループで走る楽しさ」の魅力を伝え続けている。