【高カロリーの食べ物を摂るから太るのではない】
『超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ・著 vol.91
最近は健康やダイエット本が相次いで発売されていますが、新しく「良質なアブラを摂ることの重要性」について記した一冊。
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』とやや被る点はあるものの、ほかの類書にはない新しい発見がありました!
著者は「カロリーの食べ物を摂るから太るのではない」と説き、1日におよそ3500キロカロリー摂取していながら、体重は元に戻り、お腹の筋肉も割れてシックパックになった経験をしています。自身の体験もふまえ、富裕層を中心に食事指導をしているわけですが、内容には説得力があります。
なぜ砂糖がいけないのか、良質なアブラとは何なのか、無理のない新しい断食のすすめ、これ一冊でスッキリ理解できます。
本書の中身を見てみましょう。
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「良いアブラ」を摂る一番の目的は、糖質をエネルギー源として使う「シュガーバーニング」(糖質燃焼型)の状態から、糖質をエネルギー源として使う「ファットバーニング」(脂質燃焼型)の状態につくり変えていくことです。
私たちがエネルギー源とすべきなのは、糖質ではなく、脂質なのです。
トランス脂肪酸という体にとって非常に有害な「悪いアブラ」があるのですが、トランス脂肪酸を摂ると、体の中でその毒が分解かれて体外に出されるまでに時間がかかります。トランス脂肪酸の有害な成分が体の中で半分に減る期間は120日です。
1ヶ月間、体に良い食事を続けると、75%はきれいな細胞に入れ替わります。1年間良い食事を続ければ、95%はきれいになり、7年かければ脳の神経細胞も含め、すべて最適なものに入れ替わります。
クロワッサンや味付けポップコーン、ビスケット、クッキー、ハヤシルウなどに、特にトランス脂肪酸が多く含まれています。
1万年前の人類が摂っていた糖質は、1年間でわずか小さじ22杯だったといわれています。それが、今ではなんと1年間で約63キロ、小さじ21万1400杯もの糖質を摂っているのです血糖値がいつも上下していると、細胞に供給されるエネルギー源も安定しないので、内臓の機能が安定しません。脳のエネルギーレベルも一定に保つことができず、集中したり、記憶したりするといった脳の機能も一定しません。
カロリーの食べ物を摂るから太るのではなく、炭水化物や砂糖という、体の中ですぐにグルコースに変わり、行き場がなくなって体脂肪となる材料を取り込むから、肥満になる
食品業界としては、糖質食品をじゃんじゃん使ってくれたほうが、原価が安いうえに中毒性もあって、利益が出ます。
運動したあと「良いアブラ」を摂ることは効果的
運動後にアブラを摂るもっともベストなタイミングは、運動してからだいたい2時間たったころ。
運動直後のタイミングでプロテインと一緒に糖質を摂ってしまわないようにすることです。なぜなら、糖質を摂ると、体は「待ってました」とばかりに糖質からエネルギー補給しようとする。
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著者の指摘からすれば、日ごろ運動後に「タンパク質」と意識している方がビールや焼酎などお酒と一緒に摂取することは気をつけなければなりません。
私は食事制限はしていません。3食普通に食べ、ステーキも食べます。口にするものにはこだわっています。
朝食にはサプリメントでDHAを摂り、バージンココナッツオイル入りのコーヒー、夕食はサラダに亜麻仁油とアブラ中心の生活を半年ぐらい実践していますが、10年、20年後を見据えた健康管理として考えています。
30代後半の私の体内年齢は21歳で体脂肪率は8%台なので、そこそこ維持できているのではと思っています。
日ごろマーガリンを使用した製品を避けるのはもちろん、コンビニの唐揚げや天ぷらなど高温で調理された揚げものはトランス脂肪酸が多く含まれている可能性もありますので、
食べないように気をつけています。
天ぷらでも高級店に行けば良質のアブラを使ったり、アブラも定期的に交換したりしますから、どうしても食べたい場合はそうしたお店を選ぶ方法もあります。値段が高めで、場所も限られていますから、なかなか行くことがない、つまり健康への一歩と言えるでしょう。
日ごろの日本人の食生活の危険性を指摘している点は、要チェックです。
【高カロリーの食べ物を摂るから太るのではない】
『超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ・著 vol.91

管理人:安藤大(あんどう ひろし)大阪府出身。プロ・ランニングコーチ。2012年から「はじめてのトレイルラン教室」を開講、21都道府県で1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動に注力し、グループで走る楽しさを伝えている。
15年で参加をした大会は「28か国、28都道府県」で100を超え、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。
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