最近「体幹トレーニング」系のベストセラー書をいくつも生み出している、サッカーの長友佑郁選手。その長友選手に実は、師匠がいたことをご存知でしょうか?本日は、長友佑郁選手をはじめ、なでしこJAPANの大儀見優希選手など数多くのアスリートの専属トレーナーとして活躍する、木場克己氏。これまでの著者の指導経験を元に、「続ける技術」「続けさせる技術」を「メンタル」「コミュニケーション能力」「目標設定」「時間管理」の4つにまとめています。
著者の継続できない人の特徴とは…
◆継続できない人の10の特徴
1書きかけの日記や読みかけの本、やりかけの参考書などが積まれている
2なにかを始める際、「明日からでいいや」と思ったことがある
3「初級編」からではなく、いきなり「上級編」から始めたことがある
4バイトや仕事先を何度も変えている
5これといった趣味がない
6夢や目標がない
7他人と比べて「どうせ自分なんて..」と卑下することがある
8他人に仕事を任せるのが下手
9起床時間や就寝時間がばらばら
10わからないことを他人に質問するのが苦手
“継続力を高める方法”についての記述は後半の少しだけで、大部分は著者のトレーナーとしての成り立ちから現在まで、そこで携わってきた選手といかにケガや故障を乗り越えてきたのかのエピソードがが中心となっています。
あの長友選手が高校時代は腰痛に悩まされ、椎間板ヘルニアを患い、大学の試合にさえ出場できない選手だったことを初めて知りました。無名のころから長友選手と寄り添ってきた著者だけに、そんなリアルな裏話も興味深いです。
ほかには世界最高峰のサッカーリーグに日本人として初めて契約合意した、中井卓大君の話。「小学4年生から練習中に「君が代」を聞いて、すでに日本を背負うことを意識して、自分の士気を高めていた」という話には驚きました。
僕の話になりますが、まわりで「本気でトレーニングをすればさらなる高みへ行けるのに」と考える、才能溢れるランナーの方はいますが、「平日の仕事後は疲れて、どうしてもサボってしまう。」という悩みを抱えている人が多いようです。
一 方でこんな話もあります。毎日1kmのランニングを継続して、フルマラソンを完走した人もいます。インターバル走、ロング走、峠走もなし。練習チームにも 属せず、毎日10kmのランニング継続で、体重80kgの運動未経験から、マラソンサブスリー、京丹後ウルトラマラソンを8時間台で完走するまでになった ランナーの方もいます。
結果を出している人に共通している点は、みな継続している点です。本書の中の「時間は確保するものではなく、生み出すもの」という言葉は、トレイルランナー鏑木毅さんもセミナーでよく口にされていました。
選手、トレーナー双方に役立つ一冊です。ぜひチェックしてみてください。
『続ける技術、続けさせる技術』木場克己・著
◆本書より継続できない人の10の特徴
1書きかけの日記や読みかけの本、やりかけの参考書などが積まれている
2なにかを始める際、「明日からでいいや」と思ったことがある
3「初級編」からではなく、いきなり「上級編」から始めたことがある
4バイトや仕事先を何度も変えている
5これといった趣味がない
6夢や目標がない
7他人と比べて「どうせ自分なんて..」と卑下することがある
8他人に仕事を任せるのが下手
9起床時間や就寝時間がばらばら
10わからないことを他人に質問するのが苦手
痛みを抱えている選手に、いきなり負荷の大きい体幹トレーニングを行うのは、症状を悪化させてしまうだけで逆効果。弱い筋肉をストレッチで柔軟にして、緩めることが最優先なのです。
何かを継続し、成果を得るために大事なのが”初動”なのです。
長友選手にも4~5種類のストレッチをレクチャーし、「それらを3週間続けるように」とシンプルに伝えました。
「懸 命にトレーニングする毎日を過ごしても課題や弱点は次から次へと生まれる。けれども、高いレベルで日々過ごしているかrあ、課題や弱点が生まれ、強化すべ き個所が見つかるのだと思う。そのことが僕は嬉しい。なぜなら、課題や弱点を克服できれば、そこにはさらに成長した自分がいるのだから。」長友佑郁
続けられる人はその日から準備をする。
やるのは本人であり、トレーナーは気づきや発見を与えることしかできないのです。だからこそ、トレーナーは選手と真摯に向き合うことが大事なのだと思っています。
「できないこと」と「できること」をはっきりさせる。
「すべては基本のうえに成り立っている。いろんなことをやってきたけど、やっぱり基本に戻っていく。基本がまだまだな自分を認識します。」大儀見優希
体幹トレーニングでは、いまどの部位を鍛えているのか、どこに意識をもっていけばいいのか、そうした気づきを与えてあげることが近道になります。
体幹トレーニングをするうえで、頭の重さを意識することが大事になってきます。頭が前にいくと重心も前にいってしまいブレてしまう。つまり、普段は意識しない頭の重さを意識することで、姿勢に気を付けるようになり、頭から足先まで一直線になるのです。
真剣に競技に打ち込める時間は、自分が思っている以上に短いかもしれない。だから、本番で実力が発揮できるように1日1日の練習に手を抜かず全力で打ちこんで欲しい。
選手とはそれぞれが唯一無二の存在です。ですから、最後はオリジナルを目指さなければならない。
『続ける技術、続けさせる技術』木場克己・著
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。